今回の歌詞紹介は1stアルバムの8番目に収録されている(ナミナゾ歌詞紹介としては7つ目)
【夜のくちづけ】です。
これは歌詞のイメージが先にあり、そこに曲を自らつけ、さらにピアニストの謎の地方公務員にアレンジを加えてもらい、
昭和歌謡曲感の強い一曲となりました。
もともとは「あなたの甘い言葉で〜」の部分の歌詞から書いていたのですが、
アレンジ段階で謎の地方公務員が曲を仕上げてゆく上で
最初を「夜が降りてきた雰囲気でしっとり始めたいので歌詞を増せないかな?」と言われ、
もともと頭の中にはあった田舎から出てきた女の子のイメージを付け足し、さらに主人公の状況を明確にしてみました。
私の書く歌詞というのは基本的には実体験を基にはしていませんが、
ささやかな日常の経験から派生した妄想だったり、
ニュースや小説などで読んだ話を参考にやはり妄想を膨らまして書くことが多いです。
しかし、この歌に関してはモデルがいます。
これは私が三上ナミと名乗る前に仕事関係で出逢った女の子から出逢った日のうちにカミングアウトされた話を基に勝手に書かせていただいた物語だったのです。
彼女はこういった話を気軽にする性格なのか、はたまた私に何かを感じたのかは不明ですが、
はじめましてでいきなりヘビーな自らの人生を話聞かせてくれました。
詳細は書きませんが、何か小説のような現実感の薄いほどにリアルだとすると濃い経験をしてきたという彼女の話は、
しかし時折話しの合間に見せる表情や、手首の傷などにこれは事実なんだ、と確信させる気迫がありました。
その子とはまさに一期一会でそれきり再会することはなかったのですが、
出逢う前から私のことを知っていて私の歌をとても好きだったと言ってくれていたので、
その出逢いからまただいぶ月日が流れてからですが、勝手ながらその話を想い出しつつ
私の妄想をトッピングして唄にさせてもらったのでした。
◯◯ちゃん、元気にやっていますか?
作詞・作曲/三上ナミ
編曲/謎の地方公務員
あなたの温もり求め
故郷に別れを告げ
数多の夜をすり抜け
ささやかな夢をみてた
あなたの甘い言葉で
ネオンの街 導かれ
あなたを失ってなお
ふしだらな夢をみてる
あれから私はここで
日替り王の姫君
大きな指環をつけて
灯りを消して秘めごと
すべてがニセモノでも
あの夜のくちづけを待ち
ひと時の甘い夢を お金に変える
くちづけからはじまり
くちづけしてサヨナラ
白い足をくねらせ
指咥え朝日を待つ
くちびるで誘い出し
くちづけで嘘隠す
明日の朝もあなたは
迎えには来ないでしょう
あなたの甘い吐息に
惹かれてついて来た蝶
ドレスをひるがえしたら
解けない不埒な魔法
今でも私はここで
日替り王の姫君
シャネルの5番をつけて
灯りを消して秘めごと
すべてがニセモノでも
あの夜のくちづけを待ち
ひと時の甘い夢を お金に変える
くちづけからはじまり
くちづけしてサヨナラ
白い足をくねらせ
指咥え朝日を待つ
くちびるで誘い出し
くちづけで嘘隠す
きっと永遠にあなたは
迎えには来ないでしょう