ご機嫌よう、皆さま。
三上ナミです。
Hello,everybody.
I'm NammyMikami.
【阿呆船-少年と蝸牛】お越しいただきました皆さま、心よりお礼申し上げます。
お待ちかね、私の愛する変態少年ビリコ役の高田ゆかの章(笑)!
あまりに自然で確実な演技をする高田ゆかは私にとって正直、なかなか掴めない存在でした。
とにかくあまりにも自然に演技するから正直、逆にその凄さに私は気付けていなかった部分もあったように思います。
でも【カリガリ博士】で葛飾北斎の娘役を演じた高田ゆかの儚くも凛々しい演技を見た時に、まさに胸を打たれました。
そして、それから【田園に死す】の少年役などまるで映画から出てきたような、否、それ以上の少年時代の"私"を魅せ、
今や"薄幸な少年を演らせたら右に出る者はいない!(笑)"とみんな口々に言いわれていたり…。
私もその通りだと思う反面、ゆかちゃんにはまた違った雰囲気の役もやってみて欲しいというファン心理的なものもウズウズ。
とにかく、私は舞台の上に立つ彼女が大好きです。
(もちろん、降りた時の謙虚さとか、一所懸命さとか人間味あふれる部分も大好きなのですが)
今回の劇中では、ゆかちゃん演じる少年ビリコが絵に描かれたメンソレータム少女に恋を、
そしてももにゃん演じる蝸牛少女ツヌツヌは少年ビリコに恋をする、という三角関係でした。
この部分は高取英先生の加筆で、本来の寺山修司の【阿呆船】にはありません。
しかし、この部分が本当に愛おしかった。
高取さん自身、見た目は何年生きてるか判別もつかない動く森の妖怪のようで、
(存在がまるごと森!!!動く森!深い森!)
私は勝手に心の中で【大王様】と呼んでいますが、
(たまにうっかり本人にも言ってますが)
その中身は本当に純粋で、恋を覚えたばかりの少年のような心も一部強く持っているんだなぁ、とたびたび感じます。
そして、その無垢な部分をポコンと抜き取って台本に納め、再び立体感を得たものが高田ゆかの演じたビリコであった、と。
ちなみに、ビリコというのは主人公の本当の名前ではありません。
「グリコは一粒300メートル、でも僕はグリコを食べても運動会ではいつもビリだった」
「ビリコだねぇ」
そんな一人で少年と蝸牛の声の二役を演じる高田ゆかの台詞から、少年の名はビリコになります。
しかし、芝居のクライマックスで少年の大事な蝸牛ツヌツヌが死んだ時、
少年は改めて自分の名前、存在を問います。
「僕の名前は、僕の名前は、僕の名前は…」
ゆかちゃんが演じていたどのシーンを回想しても私は胸が熱くなります。
劇中で絵に描かれたメンソレータムの私は少年ビリコに告白され、ふってしまい、
代わりに両生具有だったはずの蝸牛ツヌツヌは首領にお願いし、男の子の部分を切り取られ、
女の子になり、メンソレータム少女に変装しビリコと結ばれます。
ですが、私はゆかちゃんと結ばれたかった!!!
という気持ち悪い発言はさておき、とにかく私の稚拙な文章ではとても伝えきれないくらい高田ゆかという存在は素晴らしく魅力的なのです。
千秋楽の日は、ゆかちゃんの白身の演技から出た本気の涙を見て、私ももらい泣きしてしまいました。
月蝕歌劇団に関われて良かった。
高田ゆかに出逢えて良かった、と。
次の白夜は出ないようなのですが、またきっとすぐに逢えるのを心待ちにしています。
そして、まさかの30回くらい再投稿しても載せきれなかったので(泣)、航海記⑤へ続きます。
三上ナミと謎の地方公務員ホームページ、ライブ予定など日々更新中!
それでは、また。
暁の刻に夢の中で逢いましょう。
Let's meet in a dream at the moment of dawn.
See you.